スワッティングとは、英語で SWATTING もしくは Swatting Prank と呼ばれ、アメリカ合衆国における緊急サービスへのイタズラ通報のこと。

特に、ネーミングの由来となっているアメリカの特殊部隊 SWAT(スワット)への虚偽通報の事を指します。悪ふざけや復讐を目的として、SWATチームを全く無関係な場所に駆け付けさせ、特定の個人や団体の信用を傷つけます。通報の内容によっては、学校や企業の集団避難、イベントの中止など、地域住民に大規模な混乱を引き起こす可能性があり、もちろん犯罪行為となります。

最近では、足跡をたどりにくいインターネット経由の通報や聴覚障害者向けの通報システムなどが利用されるため、犯人の特定が困難になっています。また、発信者IDのなりすまし、電話回線に不法侵入するフリーキング、アメリカ国外からのいたずら通報などにより、さらに問題を複雑にさせます。

その通報内容は『銃器を持って家庭に侵入し、住民を人質にとっている犯人をよそおった通報』『ある家に武装集団が侵入したのを目撃したという虚偽通報』などで、日常の生活している中、自宅に突然 SWATの突入を受ける被害に巻き込まれてしまいます。特に、インターネットで映像を配信している場合、SWATに突入される様子を見る事が出来るため、恨みが無くても面白半分で通報されてしまい被害に遭ってしまうケースがあります。
アシュトン·カッチャー、トム·クルーズ、クリス·ブラウン、マイリー·サイラス、ジャスティン·ビーバーなど多くの有名人もこのスワッティングの被害にあっています。
他にも、『数十名の乗客を乗せた船から、沈没しかけている様子を実況している緊急通報』が入り、ありもしない沈没船を沿岸警備隊が数時間に及び捜索するなど、一回の通報で数十万ドルにもおよぶ費用が発生するハイコストの問題も含まれます。

一方で、SWATチームや警察を呼ぶ事で注目を集めることができるため、売名行為に使われる可能性も指摘されます。
例えば、2009年に起きた『コロラド気球事件』では、UFOに見えるように着色した自家製のヘリウム気球に、6歳の少年が乗ったまま一時消息不明となった事で、世界の注目を集めました。
墜落した気球に少年の姿はなく、気球の飛行中に落下してしまった可能性があったため、コロラド州軍や現地警察がヘリコプターを投入し周囲を大規模に捜索しました。ですが発見には至らず、その後、少年は最初から自宅にいたことが判明しました。
この事件は、少年の父親によって巧妙に計画され実行された売名行為であることがわかり、父親には90日間の服役と罰金47,000ドルが課せられました。

通報を受けた以上、緊急サービスは通報者を信用して対応せざるを得ません。多くの本物の通報の中に混じるイタズラや売名の虚偽通報を見抜くには、緊急サービスのコールセンターの対応力と判断力が全ての鍵になってしまいます。
このスワッティングの被害を減らすには、イタズラ通報者と売名行為者を確実に逮捕し、適切な処罰を与えていくしかないと思います。ですが、自宅にいながら軽い気持ちで犯行に及べてしまうため、完全に無くすことは不可能ではないでしょうか。


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[ネットの反応]

スワッティング怖いな

イタズラ通報によって任意の相手の家にSWAT部隊を送り込む「SWATting(スワッティング)」 本当に悪質極まりない悪戯

スワッティングって言い方がもう面白い

アメリカではやってるスワッティングとかいう嫌がらせヤバすぎ

スワッティングという言葉の最高レベルのいたずら感は異常だと思う



[おまけ]

ゲームのプレイ中に他のプレイヤーからいたずら通報され、武装警官が部屋に入ってくる様子。


部屋に突然 SWATが入ってくるというドッキリ。


ニコニコ生放送を配信中に、警察にいたずら通報される生主。


このようなネット配信では、警察が来ると放送が盛り上がるという理由で、売名行為に利用される恐れもあります。

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