トルクメニスタンとは、中央アジア南西部に位置する共和国の名前。
永世中立国のひとつで、アフガニスタン、イラン、ウズベキスタン、カザフスタンと国境を接しています。
面積は日本の約1.3倍、人口は福岡県とほぼ同じで、国土の85%がカラクム砂漠で占められています。

1991年にソビエト連邦から独立を果たして誕生した国ですが、初代大統領のサパルムラト・ニヤゾフによる独裁が長く続いたため、「中央アジアの北朝鮮」と呼ばれています。

トルクメニスタンは、石油や天然ガス（世界第4位の埋蔵量）などの資源を輸出し、潤沢な資金流入があります。
また、独裁下の政策方針により、教育・医療費・電気やガス・水道などが無料、食料品・日用品や住居等の物価を低く抑えていることもあり、独裁国家には珍しく裕福で治安維持が行き届いている国といわれています。

しかし、このような有用な政策だけでなく、ニヤゾフ大統領は様々なユニークな政策やルールを適用しています。

その例として

• ニヤゾフ大統領はメロンが大好物で、8月の第2日曜日は「メロンの日」として国民の祝日に。
• 高さ14メートルの黄金のニヤゾフ大統領像を設置。この像は太陽を追って回転し24時間で一周します。
• 首都ではほぼ50メートルごとに、ニヤゾフ大統領の肖像や銅像を設置。肖像や銅像を清掃する担当者も存在します。
• 自身の肖像をトルクメニスタンで最高額の500マナト紙幣に使用。
• ニヤゾフ大統領がカツラをかぶっていることを報道することはタブー。
• コンサートやテレビなどのみならず、結婚式などでも口パクで歌うことは禁止。
• 若者のヒゲや長髪は見苦しいという理由で禁止。
• ニヤゾフ大統領はガン手術を受けておりタバコを吸えないため、トルクメニスタン国内でのタバコは禁止。
• 自身の著書「ルーフナーマ」は国民必読の書とし、イスラムの聖典「クルアーン」と同等で教科書としても使われます。

このように独特な政策で独裁していたニヤゾフ大統領ですが、2006年に死去しました。
その後、大統領選で選出された第2代大統領のグルバングル・ベルディムハメドフにより開放路線を歩んでいます。

今回、テレビ東京『ありえへん∞世界』で取材の映像が放送されたため話題になりました。トルクメニスタンが正式に取材許可したのはTBSの『世界ふしぎ発見！』に次ぎ2局目だそうです。

トルクメニスタンへの日本人の年間訪問者数は600人くらいで、 外務省のホームページによると、トルクメニスタンに対する渡航情報（2013年08月07日の有効情報）は、
アフガニスタンとの国境付近：「渡航の是非を検討してください」
その他の地域（首都アシガバットを含む）：「十分注意してください」
のようです。

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森 薫
エンターブレイン

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